頭の中の金魚をすくう
昨日は
講演会「自閉症・発達障害の人へのコミュニケーション支援」
というのをおこないました。
雨の中でしたかがたくさんの方に来てもらい狭い会場でしたがとても有意義な時間を過ごすことになりました。
さて,この会に特別ゲストでsyunさんがいらっしゃいました。
syunさんは昨年の夏のイベントで講師として呼ぶ予定だったのですが体調を崩され,急遽欠席になりました。
そのこともあって,今回はリベンジ(本人は「仕返し」といっていました。)として少しの時間ですが,お話しをしていただきました。
その中である自閉症の男の子がメールで壊れたゲーム機を直してもらいたいと書いてある文章が出てきます。
それにはとても長い文章に,伝えたいこととは関係のないことが長々と書かれていて,最後のところにパソコンを直して欲しいと書かれていました。
そして,syunさんは,これが自閉症の子どもの特性であり,書くことの大切さを示しているといっていました。
私たちは,物事を考えたり話をする時に情報を整理しながら伝えることができるので,その場にふさわしくない発言はしません。
しかし,彼らはそういったことが苦手なので,まずは思いつくことをはき出してくる。
それは,時には場にそぐわない言葉を言ったりすることで,誤解を受ける。
しかし,言葉は形として残らないので本人が確認できず,それを言ったこのフィードバックができない。
ですが,ワープロで書いていけば何をはき出してきたかが確認できるので,「あれ,これを言いたかったのかなぁ?」と確認ができます。
それはまるで,頭の中に大きな水槽があって,金魚がたくさんいて目的のデメキンがどこにいるか分からないので,すくっては「これ違う」と確認して次々に金魚をすくっているのと同じ事だと話されていました。
繰り返しになりますが,そういった整理できない状況を整理させるためには言葉だけのコミュニケーションには限界がある。彼らにはそういったことを整理させてあげる方法を教えてあげる必要があると思いました。
さて,この話を聞いた時に土曜日の以下の記事を思い出しました。
朝日新聞:〈金子由紀子さんのお金のミカタ〉欲しいものが鮮明に
金子さんは物欲がありすぎで頭の中が整理できない時に「欲しいものノート」を書くといいます。
これには,とりあえず欲しい物をすべて書きだし,「どうしても手に入れたいもの」をを絞り込んでいく。
そうすることで頭の中のモヤモヤが整理されていくといいます。
私たちでも,そういった頭の中の整理されない状況があって,書き出すことで「見える化」して整理していく。
だとすればなおのこと,障害のある子どもたちの「モヤモヤ」を上手に整理させる方法を教えることが大切なのではと思いました。
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さっきのメールには続きがあって,その後にゲーム機が直ったと書いているそうです。どうも,兄弟が確認したところ,背面のケーブルが外れていたのでつなぎ直したとのこと。それでも,書く過程で本人の頭の中が整理していくのならば,意味のあるメールであると思います。
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