特別支援教育でのICT機器活用における3つのフェーズ
先日の大分特別支援教育カンファレンスの資料を見ています。
500円だったのですが装丁も綺麗ですし,お買い得でした。
もっとたくさん買ってマジカルのメンバーにお分けすればよかったと後悔しています。
さて,その中でおがっちが書いた文章はとても興味深かったです。
以下引用
「支援」と「指導」を別物として考えた方がスマートです。
(中略)
整理すると,「支援」は本人が進もうとしている中で,つまずきが発生した時に,止まらない様に支えるイメージ。「環境調整」は効率的な指導を実現するための環境を整えるイメージがあります。
とのこと。納得です。学校での支援機器の活用で気になるのは,指導との支援のかねあい。
まえに,syunさんにお伺いした時にはコミュニケーションに使うVOCAは教材に使わないでといわれたことがあります。
コミュニケーションは本来楽しいものですし,それを教材にすると自閉症の子どもさんの場合には、混乱するし使わなくなる可能性がある。
なので,たとえば「黒い」iPadにはトーキングエイドを入れて,コミュニケーションにしか使わない。
「白い」iPadは教材として学習ソフト盛りたくさん。みたいになっていれば子どもさんは使い分けられる。
まあ,なかなかそのような贅沢は出来ないかもしれませんが,実際にはそうなっていることが理想かもしれない。
私は,「支援機器」といった時には「本人が使うもの」
「教材」といったときには「先生が主に使うもの」と分けた方がいいのではと思いました。
ただ,特別支援教育の場合には支援機器と教材が重なるところがある。
ここをおがっちは「環境調整」といっているのかな,と思いました。
図にするとこんな感じ。
左側の部分は「本人が主体」となる部分
右側の部分は「教師が主体」となる部分
重なっているところは「環境調整」
では,重なっているところはどちらが主体なのかというと微妙ですが,
ここら辺を意識して,何でも教師主導とすると失敗するぞということは
気をつけないといけないのではと思っています。
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