タブレット(iPad)導入は第2フェーズに入ってきた
今,特別支援学校や特別支援学級でのタブレットの導入は早急に進んでいるように思います。
特に,先生方の関心も高くなっていると思うのはこちらの本が出版社で通常の教育を抜いて1位になっていることです。
総合では2位となっていますが,これは売れすぎて在庫が無いためでしょう。中学校向け部門では1位です。
http://www.meijitosho.co.jp/ranking/
そのようなわけで,ある意味「猫も杓子もiPad」みたいな傾向が出てきているように思います。
つまり,「まずは導入しよう」という【第1フェーズ】は超えたのではないでしょうか?
しかし,これからが問題です。
「何か面白そう」「良い指導ができそう」「子どもに使えそう」といった,感覚的な考えで始めると必ず躓きます。
それはパソコンの導入もそうですし,インターネットでもそうでした。
大切なのは「何を目的にするか」を明確にしていない弊害です。
詳しい先生方は,それが気になっているようで以下のブログが興味深いです。
「なぜ、構造化をするのか?」「なぜ、視覚支援をするのか?」「なぜ、iPadを使うのか?」という部分が欠けているので,うまく「使いこなせていない」状況になっているのかと。
1.先生方が、各教科専用のアプリばかりを使おうとする。
2.1:1でiPadを利用するためには、それなりに先生方がiPadを使いこなすスキルや従来の授業方法の変更が必要であるが、それらが足らない。あるいは従来の授業の延長線上で利用しようとする。3.iPadをコンピュータと同等のものとみなし、ラップトップコンピュータとして使おうとする。
4.1台のiPadを複数の子どもたちが利用する。
5.「なぜiPadを使うのか?」という問いに、十分に納得がいくような回答が先生や保護者さらに子どもたちにも伝わっていない。
お道具箱日記「iPadの利用とICT教育 支援技術という視点から」
「マギー(子どもさんの名前)にとって、多くの場合iPadは特別なアプリがあるから支援技術なのではなく、どのようにiPadが使われるかが支援技術である。」
(中略)
単に特別なアプリをiPadにインストールして、困難を抱える子どもたちに与えるのではなく、その子の弱みを補えるように、あるいは強みをより伸ばしていくように、タブレットなどのハイテク機器やローテクなどを利用するという支援技術の視点を多くの先生方に持ってもらいたいです。
詳しくは,当該のブログを読んでもらうことが,良いと思いますが,道具はあくまで道具であり,これを使って彼らの弱いところをどう補い,強い部分をより高めていくか,先日の中邑賢龍さんが書いていた凸凹を愛せるようにすることだと思っています。
これからの日本で,より多くの子どもたちが生き生きと学べるようにすることは,自分の国も豊になるで証紙,心も豊になるのではと思っています。
さて,保護者の方のブログでも下記の様なことが書かれていました。
お道具箱日記にもありますが,学校が犯しがちな間違いを上手に指摘していると思います。
IPad知育アプリで遊ぶ親子のネタ帳「iPadを学校に導入しても成功しない5つの法則」
1.インフラ整備の準備が整ってないまま導入する
2.先生自身が目的もなく使う
3.iPadやアプリの管理をしない
4.アプリで授業をする先生
5.他校の先生同士で情報交換しない
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
中邑さんの本,Amazonだとまだ残っているようです。
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