書評「刑務所わず 堀江貴文著」
いつもお世話になっているkingstoneさんのブログより
堀江さんといえば知らない人もいないぐらい有名な元ライブドアの社長さんです。
彼のことについては,賛否両論あるでしょう。
ただ,この本を読んでとても興味深く思ったのは,刑務所の中に相当数の障害がある,またはさまざまな意味で困難があって,場合によっては障害者としての支援を必要とするような人たちがいること。
そして,彼らが適切な支援を受けないがために刑務所の中に過ごしていることを教えてもらいました。
堀江さんもその点を指摘していて,
だから,なるべくなら偏見の目を持たないことで、彼らの校正を支援してやって欲しい。
それだけで再犯を減らすことになり,絶対に世の中のためになる。彼らを排除すればするほど,再犯というブーメランとなって返ってきて,新たな被害者を生んでしまうかもしれない。
ましてや,元受刑者たちの中でも、僕が介助してきたような認知症や障害者の方が社会に戻ってくるのは、よりむずかしいと思う。
だからまず,そういった人たちがいること,その存在を知ってもらうだけでもいい。一気に,更正施設を支援しようなんて
大上段に構えなくてもいい。
(PP110-111)
と言っています。私自身も何ができるわけでもない。でも,どんな人でも刑務所に入る可能性があり,その人たちが特別な人でない可能性もある。
そんなことは,犯罪というとても特殊なことだけでなく,病気であったり,障害であったり,さまざまな困難と同じような気がします。
自分自身が,特別な存在であるとか,関係ないなんて思わないですごしていかなければと思います。
それから,刑務所に送られてくる手紙のところでとても興味深かったのは,送り主が配慮して手書きの手紙を書いているのですが,彼は達筆で読みにくい手紙よりも,見やすいワープロの方がいいと書いており
「手紙の本質は形ではなく,そこに書かれているメッセージ。」
といっています。
これって,障害のある人たちのコミュニケーション支援の本質を突いているような気がしています。
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なかなか面白本です。
マンガもあって,読みやすい本ですよ。
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